ちちぶかわせまつりのかわせとやたいのぎょうじ
秩父川瀬祭の川瀬と屋台の行事
- 埼玉県
- 7月



埼玉県指定無形民俗文化財である秩父川瀬祭は、秩父市番場町に鎮座する秩父神社の摂社である日御碕神社の例大祭である。秩父地域では「お祇園」と呼ばれ、夏季に荒川の水によって穢れを祓い、清めるために、秩父神社の神輿が川入りする神輿洗い行事が行われ、付け祭として笠鉾・屋台の曳き回しが行われる。
本行事については、万治二年(1659)の『秩父妙見縁起書』(井上家文書)に「六月十五日の川瀬の祓」との記述や、天保八年(1837)の『秩父志』には「六月十五日神輿禊神事有テ西方荒川水流中ニ神幸アリ」と神輿洗いの記述が見られる。
現在は、毎年7月19日頃、町会ごとに若衆が荒川で水を汲み、地域を清めるお水取り行事が行われる。7月20日午後に神輿洗い行事として神輿の荒川への渡御が行われる。
付け祭で曳き回される笠鉾・屋台は、屋台が本町・番場町・東町・宮側町の4基、笠鉾が上町・中町・熊木町・道生町の4基で、7月19日・20日に市中を曳き回される。
秩父川瀬祭は、冬の秩父祭が大人の祭りとされるのに対して、子どもの祭りと言われており、特に屋台囃子や曳き子は、子ども達が中心的役割を担っている。なお、屋台行事の運営は各町の青年行事が担う。
<7月19日 宵宮>
午後から笠鉾・屋台8基が屋台囃子を響かせながら市中を曳き回される。
夕方から笠鉾・屋台が秩父神社に集結し、境内にある日御碕神社に祭られている須佐之男命を迎える「天王柱立て神事」が行われる。
<7月20日 本祭>
午前中から笠鉾・屋台の曳き回しが行われ、昼頃に秩父神社境内に集結し、笠鉾・屋台を先頭に神輿渡御が荒川に向かって行われる。午後2時すぎに、神輿が荒川に入り「神輿洗い行事」が行われる。
夜も笠鉾・屋台が市中を曳き回され、大通りを中心に「すれ違い」や「曳き別れ」の行事が見られる。