とくまるきたのじんじゃししまいほうのうさい
徳丸北野神社獅子舞奉納祭
- 東京都
- 5月

徳丸北野神社獅子舞は、元禄年間(17世紀末~)または享保年間(18世紀初頭)から始まるとされ、現在の東京都豊島区にある長崎神社から伝わったといわれています。江戸時代は、5~6月にかけて行われる雨乞い祈願と、秋祭り直後の9月19日に行われていました。現在は、五穀豊穣・悪疫退散を祈願し、鎮守である北野神社に5月5日に奉納されています。
獅子舞の一行が出発するときの「出踊り」、神社の参道を通り境内の舞の場(庭)に入るまでの「道笛」、場を清める「棒術」に続き獅子舞が行われます。親獅子・中獅子・女獅子の「三匹一人立ち獅子舞」で、花笠4名、笛、唄とともに構成され、「平踊り」「笹踊り(笹掛り)」「帯踊り(帯掛り)」「花めぐり」「花四つ」「幕掛り」の6幕が伝えられています。
かつての徳丸は農村地域で、雨が降ると「雨降り正月」といい、あちこちから獅子の笛が聞こえたといいます。舞は笛が頼りで、笛はもともと譜面がなく、口伝え耳伝えで伝承されてきました。舞の練習は、翌日腰が立たないほどしてきたそうです。
以前、師匠格の一人は、皆が楽しんで趣味と実益を兼ねた獅子舞の演者としての誇りを持っていただけでなく、人間の和というものが一番大事で、それが普段の生活の糧になっていると語ったそうです。また、舞手の一人は、師匠や先輩から「数をこなせ」「よその獅子がいろいろあっても、自分の獅子が一番いい獅子だと思え」と言われ、その言葉を心に留めやってきたといいます。
このようにして徳丸の地で伝えられてきた獅子舞が、今日に続いています。