ひよしさんのうさい
日吉山王祭
- 滋賀県
- 4月



湖国に春を告げる勇壮な神輿祭りで、大津市坂本五丁目にある日吉大社の春祭り。3月上旬、境内背後の牛尾山上社殿に比叡の山の神である大山咋神と鴨玉依姫神の神輿を担ぎ上げ、4月12日夜、山の霊力がこもった2基の神輿が山を下り里宮(東本宮)に納まる。翌13日は、大政所に神輿が移り、未御供が供えられ、夜、宵宮落としが行われる。神輿を激しく振る所作は若宮の誕生を表すとされる。そして14日には、神輿が坂本の街を渡御し、湖岸の下阪本から船に乗せられ唐崎沖へ。そこで粟津の御供を湖上で献上し、還御となる。山・里・湖を舞台とする神輿祭りである。
4月12日の午神事で、2基の神輿が山上の社殿から松明の明かりに照らされて下る姿は迫力がある。13日の昼には、日吉馬場を花笠に彩られた甲冑姿の稚児が行列する華やかな花渡り式が行われる。同日夜には、大政所で神輿を激しく振り、若宮誕生を表現しているとされる「宵宮落とし」が行われる。山王祭実行委員会委員長の祝詞を合図に、神輿が一斉に担ぎ出され競争する姿は勇壮で迫力がある。14日の神輿渡御は、甲冑姿の関係者に先導され、神輿が坂本の町を渡御し、下阪本からは船に神輿を載せて船渡御が行われる。華やかな祭礼絵巻が繰り広げられる。