みなみゆのきのかぐら
南柚木の神楽
- 福島県
- 7月、11月


獅子神楽で、演目は打ち込み・幕舞・幣束舞・鈴舞・散らし舞の5種で、幣束舞にうたわれる歌詞も、正確に伝えられている。かつて用いていた獅子頭に宝暦3年(1753)の墨書銘があり、県内では最も古い歴史がある。江戸時代には神職の鈴木家を中心とする7軒の社家によって継承されていたことから伝承は確実で、この地方にはここから習い受けたところが多い。
南柚木にはかつてこの獅子神楽のほかに、十二神楽といわれる出雲系神楽も伝えられていた。これらの舞の伝承に古くから貢献してきたのは、応永13年(1406)に三重県四日市市から移り住んだとされる宮司鈴木家の祖先である日光太夫の子孫といわれ、格式の高さと芸の確実さは別格とされている。相馬市磯部や南相馬市鹿島区の男山八幡神など各地に伝授しており、芸の確かさも相まって、相馬の神楽の祖とされている。