みてかぐらだいのかぐら
御手神楽台の神楽
- 福島県
- 6月、9月


福島県相馬市台の88世帯の集落が継承している獅子神楽で、字坪田の大雷神社の春祭りには豊作祈願として、秋祭りにはお礼参りとして、他の組に先駆けて真っ先に奉納される。そのため御手神楽と呼ばれて重視されている。また、1月中旬には新年の祓いとして数十戸に舞い込んでいる。
舞の演目は幣束舞・鈴舞・乱舞の3種で、極めて信仰深く、格式を感じさせる芸態を伝えている。
旧相馬中村藩内には7つの郷ごとに作神の雷神社が祀られていて、春と秋の祭りにそれぞれの雷神社で神楽を舞い、豊作を祈っている。なかでも江戸時代の習俗を守り伝えているのは、今日では台地区に祀られている雷神社だけになった。
かつては21組が集まり、舞う順序は到着順であるが、台の神楽は地元であり、しかも格が高いとされて、真っ先に舞うことになっている。そのため御手神楽と呼ばれて別格の扱いをされてきた。
種目は、市内の神楽にも例が見られるように最初の幕舞は略されているが、ほかの3種は確かな芸態を伝えている。