おのおおくらしし
小野大倉獅子
- 福島県
- 9月、10月

福島県小野町の大倉地区が継承している鞨鼓獅子舞で、獅子9名とささら摺り2名による。県内の多くは3匹(3名)によるもので、11名というのは当地だけで珍しく、県の文化財として指定を受けている。毎年9月下旬から10月上旬の小野新町の塩竈神社の祭りに、境内とお旅所で披露される。
この獅子頭は宮城県塩釜市の鹽竃神社から受けた角膳で作ったことに始まるという伝えがあり、事実、宮城県の獅子舞とわずかながら類似している。大倉地区と塩竈神社はかなり離れているが、これまで中断することなく継続してきたことは特筆すべきことである。
鞨鼓獅子舞は県内約250か所に伝えられているが、ほとんどが3人による、いわゆる三匹獅子舞で、11人というのは当地だけである。
祭りでは宿をはじめ、地区内の19の小社も巡って舞い、塩竈神社では社殿前に先立ち鳥居の前でも舞うなど、数々の習俗を厳格に守り伝えている。
種目は13種と多く、歌も10首を伝えていて舞庭ごとに異なっている。