みやづおどり
宮津おどり
- 京都府
- 8月


「宮津おどり」は、当地方に伝わる民謡「宮津節」と「宮津盆おどり松坂」、それに九州地方から伝わったとされる「あいやえおどり」の3つの唄と踊りで構成される芸能です。宮津節は、「二度と行こまい丹後の宮津~」のフレーズで、全国的に著名な民謡であり、歌詞の成立起源や変遷については不詳な点も多いものの、江戸後期~明治前期以降に宮津城下あるいは全国各地の花街で、芸妓たちにより座敷唄として披露されてきたものと考えられています。
これらかつての宮津城下に異なる経緯で伝わった三曲は、いずれも宮津の花柳界や旧宮津城下の町衆の手で伝えられてきましたが、昭和30年前後に普及・振興の過程で、一種の民謡組曲である「宮津おどり」として一つにまとめられました。以降、宮津おどり振興会をはじめ、関係市民による普及活動も盛んとなり、例年8月15日にはコンクール形式の市民総おどり大会が、また、8月16日の宮津燈籠流し花火大会の花火終了後には盆おどり大会が盛大に開催されるなど、代表的な宮津の盆踊り唄として、広く市民に定着し親しまれています。
宮津おどりは、軽快なリズムの「宮津節」、哀愁を帯びたしっとりとした「宮津盆おどり松坂」、勢いよい「あいやえおどり」と曲調の異なる三曲を絶妙につなげた構成が見どころです。特に曲の変わり目のほんの数秒で、三味線の調子や歌い手の喉を整える必要があり、地方での練習の成果が発揮されます。
市民総おどり大会では、地元の踊り連(グループ)のほか、宮津市外からも参加があり、揃いの浴衣やコスチュームを身に纏い、熱気に包まれた中、踊り練り歩く様子は圧巻の一言です。
また、8月16日の盆おどり大会は、花火を観に訪れた観光客等も入り交じり、老若男女問わず宮津おどりを楽しむ光景が毎年繰り広げられています。