あきつひゃっこくおどり
秋津百石踊
- 兵庫県
- 4月

秋津百石踊は室町時代末期を起源とする地域の伝統行事であり、秋津住吉神社の氏子11地区のうち、8地区がそれぞれ、異なった歌詞や踊りを保持していたが、現在は西戸地区のみが継承している。
内容はいわゆる雨乞踊であり、本来は日照りの時期に合わせて行われていたが、近年、踊りを継承・保存するため毎年4月29日頃に演舞するようになった。
歌詞は概ね室町小唄風で、風流の形を残した踊りは現在、入拝踊、忍踊、大雨踊、おぐら踊、都おどり、小唄踊が継承され、囃子方、心棒打、太鼓打、鞨鼓打、踊り子、花笠で構成されている。
心棒打は広袖の軽衫を着し、白い手甲をつける。右手に団扇、左手に御幣をもつ。踊り子は垂布付きの花笠に女帯の女装で、右手に扇子をもって踊る。
中世以来の輪踊りと風流踊のスタイルを組合せ、室町小唄風の歌詞にのせてゆったりと踊る独特の踊調子は兵庫県内でも珍しく、なおかつ雨乞踊りとして継承されている貴重な事例である。