かめがさきししまい
亀ケ崎獅子舞(亀ケ崎十一面観音堂 春の例祭)
- 山形県
- 4月



戦国の世を経て、豊臣秀吉から最上義光、さらに亀ヶ崎城主の志村伊豆守光安公へ賜り、受け継がれてきた十一面観音を拝する祭りです。記録では慶長年間(西暦1600年ごろ)から行われており、近代は「ご祈祷」「天狗舞・獅子舞」「奴振り(やっこふり)行列」「まつり行列」で構成されています。成人による「天狗舞・獅子舞」は地域や家々の無病息災を願うこと。「奴振り行列」は「江戸時代の大名行列」を偲び、明治初期に始まったとされております。
当初は大人が行っておりましたが、昭和43年ごろから大人の指導・付き添いのもと、地域の小学生(4~6年生)が担っています。また、幼い子ども達や年配者までの多くの方が「まつり行列」として参加することにより、地域の歴史や祭り文化の継承にも一翼を担う行事となっております。
天狗舞・獅子舞は一度途絶えたものの、天明5年(1785年)に再興されました。奉納される天狗舞は、獅子舞の先導役として地面を清める力強い舞。獅子舞は、古代十二段の舞からなっており、四方固め、八方固め、天地、幕折り、幕返し、怒り、かなしみ、悪魔払い等からな成り立ち、静寂と動の舞が加味されており、古式能の流れを汲む優雅な舞いとなっています。頭(かしら)役と、うしろ役の二名が、地域の無病息災を願いながら、約四十五分間もの舞を奉納する姿は圧巻であります。現在「酒田市無形文化財」に指定されています。
4月18日午後の亀ケ崎十一面観音堂では、祭主・当屋組衆・稚児・奴振り・天狗・獅子の行列が一度に見られ、地域が一体となった昔ながらの祭りの良さを今に伝えております。