こながたじんだいかぐら
小永田神代神楽
- 山梨県
- 5月、9月
小永田神楽保存会が継承する小永田神代神楽は、山梨県北都留郡小菅村小永田地区に伝わる伝統芸能であり、地域の祭礼とともに受け継がれてきた歴史ある文化である。その伝承は明治26年頃、東京都あきる野市に鎮座する二宮神社から伝えられたことに始まるとされ、当時の地域間の交流の中で技法や演目が伝授され、小永田の地に根付いたものである。以来、地域の人々は世代を超えてこれを守り続け、五穀豊穣や無病息災、家内安全を祈願する神事として毎年の例祭等で奉納してきた。
山間地域である小菅村において神楽は単なる行事の一部ではなく、自然への畏敬と祖先への感謝を形にする営みとして地域社会に深く溶け込み、共同体の結束を象徴する存在となっている。時代の変化や人口減少の影響により担い手確保が課題となる局面もあったが、地域住民の強い保存意識のもとで継承活動が続けられ、現在も保存会を中心に練習と奉納が重ねられている。
このように小永田神代神楽は、明治期に伝えられた歴史を礎としながら百年以上にわたり地域の精神文化を支え続けてきたものであり、小永田地区にとってかけがえのない文化的財産となっている。
小永田神代神楽は、御祝儀三番叟のほかに十二幕あり、黙劇で舞人は一人を除いて全員面を被っている。
近年は人口の減少とともに舞手も減少しており、十二幕全てを演じることができず、「三番叟(さんばそう)」を最初として、「真剣製作貢(しんけんせいさみつぐ)」、「悪鬼退治(あっきたいじ)」の二幕と、その年により「素戔嗚尊勘当場(すさのおのみことかんどうば)」、「素戔嗚尊大蛇退治(すさのおのみことだいじゃたいじ)」などから一幕、合わせて二~三幕を上演している。演技が黙劇の形式であり、ストーリーや登場人物の心情等は舞と所作で表現している。